決算書の利益とお金
お久しぶりです。
ブログが少し止まってしまいました(;´д`)
決算の報告をお客様にする際に、
「利益は出てるけどこんなにお金は増えてないよ」と話をされることがあります。
そうなんです。決算書の利益は、増えたお金ではありません( ゚Д゚)
決算書の利益は、お金だけではなく、その他の財産の増加や借金の返済などに変わっています。
むしろ、お金が減っているケースもあります。
会社が継続していくためには、まずお金が必要です。
黒字にする事も大切ですが、お金を残していく事も大切です。
黒字なのに倒産する黒字倒産という言葉もよく聞くと思います。
【3つの数字】
決算書を見る際には、次の数字を確認しましょう。
①税引後当期純利益
②減価償却費
③年間の借入金返済額
①税引後当期純利益
決算書の損益計算書の一番下に記載してある数字です。
この数字がプラスの場合、黒字です。
②減価償却費
決算書の損益計算書の中に記載してある数字です。
車や備品などの固定資産については、購入した年に一度に経費になるわけではなく、資産の耐用年数に応じて複数の年に分けて経費になります。
このような経費を減価償却費といいます。
③年間の借入金返済額
決算書には記載されていません。借入先からの返済表を確認してください。
銀行などの借金の1年間の元金返済額です。
【3つの数字から分かること】
この3つの数字を使って次の計算をすると、会社に残ったお金の額が分かります。
税引後当期純利益+減価償却費-年間の借入金返済額
この計算式は、決算書の利益を現金の入出金ベースに直し、残ったお金を計算するものです。
なぜ、決算書の利益をプラスしたりマイナスするのかというと、
減価償却費については、お金の支払いはありませんが、経費になります。
つまり、減価償却費を控除した金額が税引後当期純利益になるため、実際にお金は減っていないのでプラスします。
借入金返済額は、お金の支払いはありますが、経費になりません。
そのため、税引後当期純利益から、実際はお金が減っているのでマイナスします。
例① 税引後当期純利益 200万円
減価償却費 150万円
年間の借入金返済額 100万円
→200万円+150万円-100万円=250万円
利益は200万円出ていますが、お金は250万円増えたことになります。
例② 税引後当期純利益 200万円
減価償却費 50万円
年間の借入金返済額 300万円
→200万円+50万円-300万円=-50万円
利益は200万円出たのに、お金は50万円減ってしまっています(;´д`)
例②のように、黒字だけどお金が減っている場合は、黒字だからと安心できません。
会社が継続していくためには、お金が必要です。
そのために、自社がお金を残すためにどれだけの利益が必要かを考えるために、まずは自社の状況を確認しましょう。
実際は、その年に新たに借入をしたり、設備投資することなどによって、上記の計算式に当てはまらない場合もありますが、まずはこの3つを見ることで、決算書とお金の流れをイメージすることが大事かなと思います。